ぷらりのぷらぷらツープラトン

グラブル/アニメ/音楽

逢魔降臨暦 Part.Ⅱ

前回




この本によれば、普通の高校生 湯豆腐。彼には、魔王にして時の王者「オーマユドウフ」となる運命が待っていた。

着実に覇道を歩む湯豆腐。
だが、彼の本当の"敵"は自分自身の内面に潜んでいた…。

これは、魔王になる運命を背負った、1人の少年の物語──。


◆麻婆豆腐◆
力を付け始めた我が魔王。
だが、それに伴いある問題も発生しつつあった。

"傲慢"

あるいは"自信過剰"という名の獣か。
いつからか、彼自身にもわからないうちに芽生えたその感情。
それこそが紛れも無い魔王たる証。


ついにその感情が他人を傷付けることになる。


事の発端は団内でのアルバハHL戦。
我が魔王は堕天司の軍勢たる"4G"の内の1人、「ラキエル」に対しての反感を抱く。
あろうことか我が魔王はその内心をツイッターの救援用アカウント"麻婆豆腐"を使ってツイートしてしまう。

これを見逃すはずもない私。
当然ラキエルにも見つかり、気に障ったラキエルはしばらく団内通話や連戦に顔を出さなくなってしまう。

優しかったはずの湯豆腐がなぜ?
周囲も疑問を抱く。




だが、むしろこれを進化の過程と歓迎する者達がいた…。




◆2人の"観測者"◆
時は少し遡る。湯豆腐の内なる麻婆豆腐が暴走し始める前。ある男がりざれくしょん!に入団していた。




男の名は「オワリエル」、又の名を藤原…肇(はじめ)。
団内に刺激を与えるべく私が採用した。
"アカウントの転生の十賢者"の一人である彼の力は計り知れない。
そしてその影響は必ずや我が魔王にも及ぶであろうことは容易に想像できた。


オワリエルは湯豆腐に"レッスン"と称して様々な訓練を与えた。
時には自らが随伴して戦地へと赴き、共に実戦をこなす中で学習させた。




自ら体を張って夜遅くから朝方まで何日も何日もレッスンは続いた。




そうしてオワリエルと関わっていく中で、我が魔王の心に「悪」の側面が芽生えたのだった。




──好機。
私にとって願っても無いチャンスだ。
これを機に我が魔王にいよいよ魔王への道を歩む決意をしていただかねば。

「我が魔王、オーマユドウフになれば無敵、すなわち誰が相手だろうと負けない。ならばその力を使うべきは…今なのでは?」

こうして私は我が魔王に、「オーマユドウフ」の力の片鱗、「ユドウフⅡライドウォッチ」の片割れを授けたのだった。


こうして私とオワリエル、2人の観測者はそれぞれのやり方で湯豆腐の進化を加速させた。正しく魔王へと歩ませたい私と歪んだ魔王への道を示すオワリエル…互いの思惑は真逆だったが。




◆対話◆
我が魔王は、私から受け取ったユドウフⅡライドウォッチの力を利用するべきか否かで揺れ動く。

そこへ、鏡の中に映る麻婆豆腐が現実世界の湯豆腐に語りかける。

『そういうとこ、お前が聖人君子じゃない証だ。最高最善の魔王になるなんてお前には無理なんだよ!お前の言葉と心は裏腹だ。口では綺麗事を言っても、心は真っ黒なんだよ!』
「違う!僕は…!」

認めたくなどない。
自分が最悪の魔王になるはずがないと、他人を傷付けることなど望まないのだと、そう信じてきた。
多くの人と繋がっていたい、多くの人を救いたい。

だが同時に気付いていた。マルチバトルで他人に勝つ喜びを。他者を蹴落とす愉しみを。そしてそれらを心のどこかで望んでいる自分がいることを。

どちらが本当の自分なのか?

…いや


そもそも、


選ぶ必要などなかった。


「僕には最低最悪の部分もあるし、最高最善の部分もある。」

『何…?』

「両方ホントなんだ。」

『オーマの日が怖くないのか?』

「怖いさ…けど…僕は未来の僕に賭けてみたいんだ!僕は最高最善の魔王を目指すよ。」

こうして湯豆腐はもう一人の自分、麻婆豆腐を受け入れる。





表と裏、過去と未来…2つの世界を統べるウォッチだ!


ユドーウフ!


「変身!」






騎空ライダー!ユドウフ (ユドウフ)ユドウフⅡ!!!


「善も悪も…全て受け入れる!そしてこの力で僕は…未来を切り拓く!」

王の凱旋である!祝え!全騎空士を凌駕し、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者!その名も「騎空ライダーユドウフⅡ」!新たな時代の幕が開きし瞬間である!




かくして、我が魔王はユドウフⅡへと進化。更なる覇道を歩むことになっていくのであった。




オーマの日は近い。










『ようやく完成した…』






『湯豆腐bot…"時の王者"だ。ハハハハハ…ハッハッハッハッハ!!!』

Part.Ⅲへ続く──。