ぷらりのぷらぷらツープラトン

グラブル/アニメ/音楽

転生しても皇族でいく。〜究極の英才教育を施された俺による異世界生活〜Part.Ⅰ

「究極お気持ち龍 レインボー・フォント・ドラゴンでダイレクトアタック!!」

「私の負けでございます…。」

3674戦3674勝0敗。それが俺と爺のデュエルの戦績だ。

「やはり悠仁様はお強い…」
「おい爺。」
「はい?」
爺は演技が下手だ。あるいは俺の洞察力を試しているのか。

「いい加減、わざと負けるのをやめろ。」
「滅相もございません!私は一切の加減もなく勝負に臨んでおりますゆえ!」
「ほう…?ならば…」

俺は爺の場に伏せられていたカードをめくり、その名を読み上げる。

「国家転覆。」
「…………。」
爺の顔に僅かに動揺の色が見える。
当然だ。

「俺が「国家総動員」で「愚民ソルジャー」を特殊召喚するタイミングでこれを使えばレインボー・フォント・ドラゴンの召喚を防げたはずだな?」

「大変申し訳ございませんでしたッ!!!!」
爺は諦めて己の罪を認めた。

「俺が嫌いなのは"負けること"だ。それが何であろうとも。だがな…それ以上に嫌いなのはッ!己が最善を尽くさずしてッ!他人に媚び諂う者のことだッッ──!!」

思わず声に力が入ってしまった。
直情的になりがちなのが俺の短所であると自覚せねばなるまいな。

「何卒御許しを!いかんせん私めのような老骨にはこのような新しい遊戯は些か難度が高いものですから…!」
「冗談!この期に及んで言い訳とはな!仮にも皇族抱え込みの従者である貴様が、主である俺に叛意を示すか?」

「ぐぅっ…ごっほごほッ…!」
爺は持病を患っている。臓器の病だとは聞いたことがあるが、自分のような老いぼれに暇も慈悲もどうか与えないでくれと言って治療を拒むのだ。こうして興奮すると激しく咳込む症状が現れる。

「俺は老人だろうと病人だろうと態度を改めるつもりはない。何故だと思う?」

「……"王族たる者、貴賎の分け隔てなくただ皆等しく「民」として接するべし"。」

「そうだ。幼子の時分より煩く俺に言い聞かせていたであろう?爺。」
「私に出来るのは…この身に備えた知恵と知識を分け与える事のみですゆえ…」

爺は俺が幼い頃から教育の任に就いていた。
俺だけでなく兄、姉、それ以前から変わらず働き続けてきた。
生まれた家によって人の生が決められるなど大概馬鹿馬鹿しいと思うが、俺も爺も望む・望まない以前に生き方を定められた人間。

「なればこそ、俺は腹立たしいのだ。お前を一人の"民"として、否、俺の従者として評価しているからこそ、だ。」
悠仁様…」

「罰を与える。いいな?」
「謹んで承ります…。」



爺と俺はリムジンに乗り込み郊外へと移動を開始した。
これから与える"罰"の為だ。

窓の外の風景を眺める。
しかし庶民というのは本当に度し難い。
何故このように忙しなく歩き、走り、往来を巡るのか?その様はいつ見ても焦り、疲弊、悲嘆に満ちている。
誰もが幸福を望んでいるはずなのに、何故誰もがそれを得られるとは限らないのだろうと、常々疑問に思うのは甚だ可笑しい話ではないか。

「…学校はどのような様子ですか?」
爺が口を開いた。爺は俺の学校生活が気掛かりでならないようで事あるごとにこうして尋ねてくるのだった。

「何ら変わりない。相も変わらず接するに値しない愚か者ばかり…。」
「お言葉ですが悠仁様と他のご学友とでは育った環境、これまでに受けた教育に幾分と差があるのは致し方ないかと…」
「そうではない、そうでは。こちらから接するのはな…分かるであろう?」
「……御許しを。」

自分から話を切り出しておいて情けないやつだ。

先程も述べたが、生まれた家で人の生が決まるなど馬鹿馬鹿しいと俺は思う。
同じ年に生まれ、同じ街に住んで、同じ学校に通う。違うのは生まれた家だ。

それだけで────
全て違うと決められる。



「到着しました。」
「御苦労。」

爺がドアを開き、俺は地面を踏み締めた。


郊外にある我が一族の私有地。
誰も立ち入る事は無く、豊かな自然を有する土地。
その更に奥深く、俺のお気に入りの場所がある。


切り立った傾斜のある小さな崖。
その上から眺める景色が俺は何より好きだ。
さほどの高さは無いのだが、この場所に立って風の流れに身を包まれる時、世俗から解き放たれただ一人の人間になれた気がするのだ。我ながら年相応な所があるなと思う。
側から見れば、高い所に立って喜んでいるだけの少年にしか映らないのだから。
その崖、というか壁の下で爺は待機している。俺は崖の上から爺を見下ろす形だ。


「始めろ。」
「ハッ…!」

爺は纏っているスーツを脱ぎ始める。
その下のシャツも、パンツも。そうして瞬く間に全裸になる。
これから始まる罰に備えての支度だ。








"ぷらぷらプランク"




それがこの罰の名だ。
プランク、それは体幹を鍛えるトレーニングの一種である。うつ伏せになり、肘をつき、両手両足を肩幅に開いた状態で肘とつま先に重点を置き、その姿勢を保つ。一見簡単そうに見えるが平均的な成人でも40、いや、20秒足らずで腹部が刺激でプルプルと震えるのを感じるであろう。

通常のプランクと異なる点として、これを全裸で行う。制限時間は3分間だ。
3分間耐え忍べば爺の勝ちとなりペナルティは免れる。(ペナルティは減給、残業等業務的な制裁が与えられる。)
ただし俺はあらゆる妨害を行う。
更にもう一つルールがある。



"地面にちんちんが着いた秒数に応じてペナルティを与える"



実質腹いせのようなものだが。


「フッ…!」
爺は凡そ病を抱える老人とは思えぬほどの筋肉を蓄えた立派な体つきで、まるで意に介さずに3分間耐え忍ぶのでは無かろうかと思えるほどに容易く姿勢を維持している。

そもそも地面にちんちんが着きさえしなければペナルティにはならないのだから、小休止を挟めば幾らでもやりようはあるのだ。罰としては緩い方であろう。

「爺、人間の偉さは何で決まると思う?」
「……!?」

爺は俺が何をしようとしているのかを察したようだが、もう遅い。

「人間の偉さとは…その立つ"場所"によって決まるッ!!」
俺は勢い良く駆け出した。

悠仁様!!なりませんッッ───!!」

「俺は"上"でッッ!!!!お前は"下"だァッッ!!爺ッッ──!!!!」

俺は眼下の爺目掛けて飛び降りながら蹴りの姿勢を取る。
以前見た庶民の娯楽、特撮ヒーローの必殺技が妙に気に入り、いつか機会に恵まれた暁には是非繰り出してみたいと思っていたのだ。

風を切る

姿勢が崩れる

爺の慌てふためく顔

後頭部への 強い 衝撃




つまんねー世界


つまんねーカタチの雲


つまんねー色の空


いつも見下ろしていた爺を、今は俺が見上げているのだけは、




少し、おもしれー……………




俺のこの世界での記憶は、命はここで途絶えた。


To Be Continued…

劇場版騎空ライダーユドウフ Over “Quartzer”

…………僕ね………


大きくなったら…………






◆「歴史」の在り方◆

時代はすっかり令和一色。
「平成」などもう過去の話。
時代が変われど、世界は変わらないようです。
退屈で、平凡で、予定調和で。

この本によれば、普通の高校生 湯豆腐。彼には魔王にして時の王者「オーマ ユドウフ」となる未来が待っていた。
彼は騎空ライダー達との出会いを経て、彼らの力の象徴たるライドウォッチを受け継いでいく。いよいよ残されたライドウォッチはあとひとつ。私の憂鬱を晴らしてくれるような旅になるといいのですが…おっと、我が魔王がお目覚めのようです。

「キャスパリーグ、おはよう〜」

「どうした湯豆腐?」

「いや、なんか変な夢を見たんだ。」

「どんな夢だ?」

「うーん…なんていうか、子供みたいな声が…したような…?」

「なんだその曖昧な内容は。それよりテレビを見ろ。」

「どうかしたの?」

テレビにはニュース番組が映っている。レポーターが大袈裟に話をする。

「ご覧ください!こちらの屏風!今朝、突然屏風に描かれた一部分が変化していたということなんですよね!?」

どうやら博物館に展示された屏風絵のようだ。
カメラは屏風の一部分へとズームしていく。

「ん?あれってさぁ…」

「気付いたようだね、我が魔王。」

「そうだ…何故か戦国時代に描かれたはずの屏風に俺がいる…。」

屏風には勇しく先陣を切る騎空ライダーキャスパリーグの姿があった。

「ぷらりさん、これって…?」

「そう、なんらかの理由でキャスパリーグくんが過去に介入することになり、その結果現代に存在する屏風に影響が及んだ…ということだろうね。」

「なぜ俺が関係することになる?」

「それについては私から説明させてもらおう。」
突如、私たち以外の者の声が聞こえる。

「おわっ!?」
我が魔王が慌てて仰反る。
声の方向には…映像?ノイズのようにも見える、歪んだ状態の人物がホログラムで映し出されていた。

「私の名はクロム・スタインベルト。私は騎空ライダーONの生みの親だ。何者かが私の出生を辿り、戦国時代に介入。その結果として……ONの……」
音声が乱れる。

「どうやらあまり時間は無いようだ。急ぎこの場所に向かってくれ。」
空間に座標のようなものが映し出される。

しばらくしてクロムの姿は消えてしまった。

「行こう!」
我が魔王が声を上げる。
残されたライドウォッチ、騎空ライダーONの手掛かりになるかもしれない重要な情報だ。見逃す手はない。



示された座標を辿り、私たちは古い屋敷跡のような場所へ到着した。
その周囲を探ると、地下へと通じる隠し口があった。私たちはその中を探ろうと降りていく。

「…誰だ!?」
突如、またもや見知らぬ人物の声がする。

その人物が身構えようとした瞬間、

「待て!音也!私が彼らを呼んだんだ!」
ホログラフィックのクロム・スタインベルトが出現する。

「こいつらが…?」
彼は警戒を解いたようだ。

「…俺の名は音也。ここに来たのはクロムの祖先にまつわるある「遺物」を探していたからだ。」

「遺物?」

「あぁ。これだ。」
音也という人物はそう言うと懐から十字架のような物を取り出した。

と、その時──


「へぇー、助けを呼んで先手を取るとはね。流石はクロム・スタインベルト。」

新たな人物が姿を現す。だがいつの間に…?まるで気配が無かった。
さらに驚くべきことに、彼の腰にはキクウドライバーが装着されていた。

そして手にした未知のライドウォッチを起動させる──


      ナ ベ ル

「変身。」

     ライダータイム!

    騎空ライダーナベル!



「こいつからこれを守ってくれッ!!」
「任せて!」「いくぞ!」「ああ!」

「「「変身!!」」」

騎空ライダーユドウフ!
騎空ライダーキャスパリーグ
騎空ライダープラリ!

私たちの変身に音也も続く。

「Let's…変身!」

「言動!共演!いずれも〜NG〜!騎空ライダー音也〜!」

「……。」
あまりに情けない名乗りに一同が困惑する。
だがすぐに気を取り直し眼前の騎空ライダーナベルへ立ち向かう。

ナベルは巧みに足技を駆使して私たちの攻撃をいなす。数の不利をものともしない立ち回りだ。

そして一瞬の隙を見出したナベルがボウガンのような武器でエネルギー弾を射出。撃ちだされた弾は音也の手にしていた十字架を射抜いた。

「しまった…!」

十字架は砕け散り、目的を達成したかのようにナベルは告げる。
「ハハハッ!音也、お前ももうすぐ消えることになる…。」
動揺する私たちを残して、ナベルはその場から去っていた。
同時に音也のベルトが消滅していく…


私たちは状況を整理する為に話し合っていた。
「奴は戦国時代に遡り、クロムの祖先を消そうとしている。そうすればONも音也も存在しなかったことになる…。」

「…俺は「ダチ」を生き返らせる方法を探して戦ってる。もしクロムの存在が消えちまったらクロムが作り出したそのダチも居なかったことになっちまう…。頼む!力を貸してくれ…!」
音也が頭を下げる。それだけ真剣なのだろう。

「奴らはクロムの祖先に関係がある遺物を狙ってあの場所へ来た。そして現代に存在する遺物を破壊。となれば次は直接戦国時代に飛んで祖先を抹殺するだろうね。そうすることで現代と過去の両方からクロムの縁が消え去り、存在しなかったことになる。」

「行こう!戦国時代へ!」
迷わず我が魔王が声を上げる。

「でも、どうやって…?」
音也が疑問に思うのも無理はない。
時代を自由に行き来する手段など現代には存在しないのだ。

もっとも未来の技術を持つ我々には関係ないことなので…

「大丈夫!帰りを楽しみにしててよ!」
私たちは時空転移システムを搭載した巨大ロボ、「タイムマジーン」を使って過去へと遡る。



1575年 織田信長の軍勢と武田勝頼率いる武田軍がぶつかり合う「長篠の戦」。当事戦国最強と名高かった武田軍の騎馬隊を、織田信長は当時まだ浸透していなかったという大量の火縄銃を用いて圧倒。瞬く間に天下統一への地盤を固めることとなった。


まずは手がかりを集める必要がある。
我が魔王とキャスパリーグくんは変装し、城下町で情報収集へと向かった。

「ぷらりさんは変装しないんですか?」
「私までコスプレしたら"見てる人たち"が混乱するからね。」
「なんですかそれ?」
「気にする必要はないさ。」


各自で集めた情報を整理する。
「武田軍が"派手な化粧の女"を探しているらしいんだ。」
織田信長は戦の準備を進めているらしいな。」
「なるほどね。すると…どうやら武田軍にはクロムの血縁を消そうとしている連中が協力しているだろう。その"派手な化粧の女"とやらがクロムの祖先にあたる人物なのかもしれないね。となれば私たちは織田軍に協力し、武田軍よりも先にその女を保護する必要がある。」

クロム邸で襲いかかってきた者の目的を阻止するためにも、女を消させるわけにはいかない。おそらくその女を生き残らせることで、クロムの血統が守られて騎空ライダーONの誕生に繋がるのだろう。為すべき道は見えた。

我々は早速織田信長の城へ向かった。
のだが……



「待ってよ〜〜チィちゃ〜〜〜ん!!」
「アタシ、どうしても行きたい場所があるの。」


「……あれが…信長…?嘘だろ…」
我が魔王は絶句している。キャスパリーグくんも何だこれ…といった面持ちだ。無理もない。
後世に伝わっている信長のイメージといえば、冷徹で容赦が無く残酷な文字通り"魔王"と呼ばれるに相応しい人物と評されている。ところが今我々が目にしているこの人物は…

「殿!?どこに行かれるおつもりか!?」
「チィちゃんと散歩行くのーー!!邪魔すんなよ!!」
「ですが間もなく合戦が始まろうとしておりますゆえ!!何卒お戻りくだされ!!」
「うーるーせーなぁもう〜!ん?ちょうどいいなんかそれっぽい奴がいんじゃ〜ん!」
信長はキャスパリーグくんの方を見る。

「は?」
「君さ、こうやって…こうして…これ被ってさ…カッケェー!!いいね、いいね〜!どう見ても信長じゃ〜ん!?」
あっという間にキャスパリーグくんに鎧を着させて兜を被らせてしまう。

「じゃあ俺行くから!あとよろしくね!」

「はぁーーーー!?」
なんとキャスパリーグくんは信長の影武者にされてしまったようだ…ドンマイ。
それよりも気になることがあった。

「失礼、あの女性は一体?」
「あぁ彼女は"チィ・スタインベルト"という名前で最近オランダから訪れたそうです。なんでも名家の娘だとかで殿はすっかり彼女に夢中になっておりまして…」

どうやら探していた女性というのは彼女だったようだ。
「スタインベルト!?急いで追わなきゃ!」
「おい!俺はどうなる!?」
「キャスパリーグくんはそのまま信長として軍を率いてくれ。私と我が魔王で彼女を守る。」
「はぁ!?」
我々は信長とチィを追った。


残されたキャスパリーグくんは織田軍の陣地へと訪れていた。
先程の一連の流れを見ていた織田軍の武将が彼にささやく。
「キャスパリーグ殿…どうか信長様の代役として振る舞っていただけますよう何卒…」
「…こうなれば仕方ない。出来るだけやってみるか…。」

キャスパリーグくんは号令をかける。
「者共、出陣だーー!!」
「おおおおおおおおおおおおお!!」
織田軍はいよいよ戦場へと向かった。

ついに開戦した長篠の戦い
キャスパリーグくんは本陣で待機していた。
「戦況は!?」
「我が軍がやや押されています!武田軍に1人とてつもない強さの将がいるようで…」
「ならば俺が出る!!」

戦場では騎空ライダーナベルが暴れていた。現代兵器など存在しないこの時代に、騎空ライダーの力は圧倒的な脅威でしかない。
「アハハハ!武田軍のみんなー!派手な化粧の女を捕らえたら好きな物なんでも買ってあげるよー!?」
「うおおおおおおおおおお!!!」
武田軍の士気を上げている要因がこれか。

「怯むな!!進めぇーーーー!!」

キャスパリーグくんも変身して出陣する。その勇姿に守勢気味だった織田軍も奮い立つ。

両軍の総大将の一騎討ちにもつれ込む。
ナベルが蹴りを繰り出すと、キャスパリーグくんはそれを右手で弾き、左の拳で反撃する。
ナベルは素早く後ろへ下がるとすぐさまボウガンを射出するがキャスパリーグくんはその矢を手にした旗で器用に防ぐ。
お互い譲らない攻防だ。

「やるね。次はコイツでどうだ!」
ナベルは武田軍の陣地から出てきたタイムマジーンに乗り込む。
「卑怯だぞ!」
キャスパリーグくんもタイムマジーンを呼び寄せて乗り込む。

「な、なんじゃあありゃあーーー!!」
両軍の兵はただこの異様な戦いを見守るしかできない。彼らの目にこの兵器は鬼や妖の類にでも見えただろう。

砂埃を巻き上げながら2体のタイムマジーンがぶつかり合う。
まずキャスパリーグ機はボディー目掛けて殴りかかった。ナベル機は両腕をクロスしてしっかり受け止めると空中に浮上、勢いよくキャスパリーグ機に蹴りかかる。キャスパリーグ機は難なくかわし、着地したナベル機が体勢を整えようとわずかに止まったその一瞬に相手の脚を蹴ってバランスを崩した。よろめいたナベル機に連続で拳を叩き込んでいくキャスパリーグ機。ナベル機は煙を上げて動きを停止した。


一瞬静まり返る戦場。
すぐさま織田軍の兵が勝敗を見極めた。
「我らの勝利じゃあああああああ!!」

「あちゃー。まっ、もうこの時代に用はないかな。」
「待て!!」
タイムマジーンから脱出し、戦場を離脱していくナベルをキャスパリーグくんが追いかけていく。


…一方私たちは信長とチィを追って森の中へ来ていた。
「やっと追いついた!信長!僕たちが警護につくよ。」
「マジでー?助かる!」
「信長公、どこに向かっておられるのですか?」
「んー?なんかチィちゃんが行きたいところがあるっていうから連れて行ってあげようと思ってさー。」
「戦の直前にそんなことをしている場合では…」
「いいんじゃないかな。」
「けれど我が魔王…」
「信長の好きなようにやらせてあげたいんだ。」

その言葉を聞いた時、私は何とも言えない気持ちになったのを覚えている。
私にはひどく縁が無い言葉のように思えたから。



その時、近くの茂みが揺れた。
「誰だ!」

間髪入れずにその敵は構えた。
「ユドウフか。俺が潰す!」

ト レ ッ ギ ブ

「変身!」
    ライダータイム!

   騎空ライダートレッギブ!

また新たな刺客。おまけに忍者を連れているとは。

「行け、無課金対魔忍軍!!」

対抗して私たちも変身する。


「すっげー!!」
私たちの変身を見ていた信長が声を上げる。

「ここは僕たちに任せて信長はチィを追って!」

信長は頷くと森の奥へと走って行った。

「忍にはシノビで対抗するとしよう。」
私はミライドウォッチを起動した。

シノビ!

フューチャーリングシノビ!


私は高速の飛び蹴りで敵の忍をなぎ払う。
フューチャーリングシノビは素早い動きと忍法を用いたトリッキーな戦いを得意とするフォームだ。

我が魔王はトレッギブと交戦している。
我が魔王の攻撃を受けてもびくともしない様子を見るにパワータイプのライダーのようだ。
「オラッ…!こいつ…ッ!硬い…!」

加勢しようとした私の視界にナベルが映った。合戦の方はひと段落したということか。だがナベルがこちらに向かってきたということは…

「ユドウフ!待たせたな!」
やはりキャスパリーグくんも来た。
「形勢逆転だな。」

騎空ライダー!ユドウフ ユドウフ ユドウフⅡ!
リバイブ剛烈!
ぷらりギンガファイナリー!ファイナリー!

それぞれの強化フォームへと変身し、3対2。一気に決めさせてもらう。

超銀河エクスプロージョン!
一撃タイムバースト!


キングギリギリスラッシュ!

我々の攻撃を受けてナベルとトレッギブは消えた。
本当に終わったのだろうか?ともかく今は信長を追わなくては。


森を抜けるとそこには…

茫然と立ち尽くす信長の姿があった。
「そんな…そんな…」

「何があったの!?」
すると信長は泣きながら指を差した。

「パルテノス!会いたかった!」
「OH〜チィ…!嬉しすぎてワケわからないん…」
そこには異国の男性と抱き合うチィの姿があった。

「彼氏と会わせるためにここまで連れてきたのかよ〜〜〜!!俺悔しいよ…!!」
信長は泣き崩れる。

まさかの事態だ…

「信長、アタシをここまで無事に送り届けてくれた礼として、最新の火縄銃を8000丁あなたに授けます。」

…なるほどこれで武田軍を一掃することになるわけか。

「さすが信長!これを見越していたんですね!?」
「そんなわけないだろう我が魔王…」

すると信長の家臣が興味深そうに聞いてきた。
「"魔王"?湯豆腐殿は魔王なのでござるか?」
「ああ、我が魔王は偉大な存在だからね。」
「ほーう…ならば信長様の在り方も"魔王"として後世に語り継ぐでござるよ!さすれば誰も殿がこんなやつとは思うまい!ついでにキャスパリーグ殿の戦での活躍も書き記して広めようぞ!」

ああ、そういう…

「歴史」とはこうして作られていくのだろう。後世に伝えられるのが必ずしも全て真実とは限らないということだ。
──歪めようと思えば簡単に歪められる。みなさんもお忘れなきよう。







◆「空の管理者」◆
現代に帰還した私たちを出迎えたのは音也とクロムだった。
「みんな、ありがとう。おかげで私と、音也、そしてONの歴史は守られた。」

「これを受け取ってくれ。お前たちに渡さなきゃならない気がするんだ。」

ああ…

ついに…

「これで…全てのライドウォッチが…」

「…?なんだお前ら?俺なんでここにいるんだ?」
音也が…いや、君はもう「騎空ライダー音也」じゃないんだ。

──なぜなら騎空ライダー音也の歴史はたった今我が魔王に捧げたんだから。

「我が魔王、来て欲しい場所があるんだ。」
「え…?」
「祝福の儀を行わなければ。」
「そうなんですか?じゃあ行きますか!」


巨大な古墳。古の時代の大王が築かせた権力の象徴。此度の儀に相応しい舞台だ。我が魔王はついに成し遂げた。

成し遂げてしまった。

盛大に祝わなければ無礼というもの。


おおよそこの場には相応しくないほどの大観衆が見守る中、ゆっくりとこの場に現れた我が魔王。
「こんなに大勢の人が…?」
「全ては我が魔王の為です。さぁ、あちらへ…」

我が魔王はゆっくりと階段を上っていく。ここに至るまでのこれまでの旅を思い返してさぞや感慨深いことだろう。今一時は感傷に浸るのも良い。

頂上へ至ったその瞬間──




「良い表情をするようになったじゃないか。"替え玉"の王が。」

「今までご苦労だったな。」

「あんたは…?」

「俺は…「木村唯豆腐」だ。」

「"我が魔王"、こちらを。」
私は全てのライドウォッチを我が魔王に差し出した。

「ぷらり、よくやった。」


こうして全てのライドウォッチは我が魔王の物となり、GRANBLUE FANTASYは歴史から消滅しましたとさ。
めでたしめでたし。
これが、騎空士の歴史の最後の1ページです。


「ぷらりさん…?嘘だよな…?」
「気を落とす必要はないさ。この"計画書"の通りに、私が導いただけだ。」

「どういうことだ!?」



「俺たちは"クォーツァー"、空の管理者だ!!」

「おかしいと思わなかったのか?自分だけやけにヒヒイロカネが落ちると。」
「それは…」

全ては「力を持つ選ばれし者」だと思い込ませるための演出に過ぎない。

「お前の役目は終わりだ。」
我が魔王は頂上から湯豆腐を蹴り落とす。

「やめてくれ〜〜〜〜〜!!」
転がり落ちていく湯豆腐。無様なものだ。何も知らず、何も為せないまま消えていく。これが、くだらない覇道の行き着く先だ。



キャスパリーグくんがライドウォッチを奪還するべくこちらへ向かっているとの知らせが入った。
「私にお任せください、我が魔王。」
「頼んだ。俺は"準備"に入る。」


情けというわけではないが、私が相手になろう。
クォーツァーの本拠地から少し離れた広場で私とキャスパリーグくんは対峙した。

「結局お前は敵だったというわけだ!」
「決着をつけよう。」

「「変身!」」

ぷらりギンガファイナリー!
リバイブ剛烈!

先ずは出方を伺う。キャスパリバイブ剛烈のパワーは驚異的だが、手の内は読めている。私はギンガタイヨウへと切り替えると掌からの灼熱波で牽制する。装甲は物理には強いがこうした特殊攻撃には弱い。
耐え兼ねたキャスパリーグくんは…やはりリバイブ疾風に切り替える。
すかさず私はギンガワクセイに切り替え必殺技を発動させる。

水金地火木土天冥海エクスプロージョン!

上空から降り注ぐ無数の隕石をリバイブ疾風の高速移動で避け続けるキャスパリーグくんだが、これでトドメだ。すでにギンガファイナリーへと再び移行していた私は重力操作でキャスパリーグくんを隕石の方向へと誘導、直撃させた。

「ぐああああああああああ!!」
キャスパリーグくんの変身が解除される。勝負ありだ。

敗者にかける言葉はない。私はその場を去ろうとする。
「ぷらり…お前と俺は似た者同士だ。湯豆腐と出会い、共に戦う中で…いつのまにかあいつに惹かれていたんだ!!」
「!!」

あまりにも馬鹿げている。

「うるさいッッ!!」

「お前だって本当は気付いているはずだ!湯豆腐がお前たちの思い通りになるような器じゃないことを…!」
「そもそも君たちと私とでは根本が違うんだ!私はクォーツァー、空を導く側の人間だ!君たち過去の遺物とは違う!」

柄にもなく熱くなってしまった。
キャスパリーグくんの言葉がどうしてこんなにも腹立たしいのかは分からない。







湯豆腐は捕らえられ、地下へ監禁されていた。


私は牢を訪れていた。なぜそうしたかは分からない。最後の別れを告げるためか、それとも何かを期待していたのか、自分の心すら分からないのに他人に何を求めるのだろう。
ただ私は、「私自身」を分かりたかったのかもしれない。

「やぁ。」
「…ぷらりさんもクォーツァーだったんですね…。」
「その通りだ。」
「どうして……」

湯豆腐は打ちひしがれている。現状が理解できない、理解したくない。
けれど彼には知る権利があるだろう。
私は真実を教えてあげることにした。

「そもそも"騎空士"がいけないんだ。民度も協調性も最悪だとソシャゲ界でも評判が悪くてね。だから我々クォーツァーは考えた。名だたる騎空士の歴史を君に集めて"騎空ライダーユドウフ"として完成させようと。その為に君にライドウォッチを集めさせたんだ。」

「ふざけるな!!それじゃあ…僕がライダーの力を奪ったってことじゃないか!!」
「見事に集めてくれた。」
「みんな喜んでライドウォッチを渡してくれたのに…!」
「人が良さそうな君を選んで正解だったよ。」

「ぷらりさんは…なんでクォーツァーに?」
「私は"優しい騎空士"になりたいと、以前言ったよね。そのためさ。」
「……なれるといいですね。」

私は牢に背を向け立ち去ろうとする。
これでいい。



「私は嫌いじゃなかったよ。君を"我が魔王"と呼ぶことが。」








残された湯豆腐は絶望していた。
自分の使命だと信じてきた旅がその実全て他人の計画に踊らされていたに過ぎないという事実。仲間だと思っていた人物の裏切り。到底信じられない。

ふと、ぼんやりと眺めた向かいの牢に気配を感じて視線を移す。

「誰かいるの?」

「珍しいな。ここに人が来るなんて。」
暗がりの中で声の主が徐々にはっきりと見えてきた。

「あなたは…」

「俺の名はトキ。昔は初めて十天の極みに至った者として少しは名を馳せたが、今じゃこの有様だ。
坊主は何をしでかしたんだい?」

「僕は…グラブルを終わらせる手助けをしてしまいました。自分には力があると思い込んで…けど僕にそんな力なんてなかった。どこにでもいる"普通の高校生"だったんだ…。」

トキはただ湯豆腐の言葉を受け止めていた。何か思うところがあるのか、言葉を探しているようだった。

「空の奴らはさ、冷たいよな。散々持ち上げてた相手だろうと、何かひとつのきっかけさえあれば簡単に見捨てちまう。なんならそれを楽しみにさえしてるだろう。」

「…僕もツーラーとユーザーネームが同じで疑われたことがあります。」

「けどお前は助かった。何故だと思う?」

「それは……」

「お前には仲間の方が多かったんだ。あいつは違うって庇ってくれる連中が。俺は違った。下手に目立ちすぎたからかな…いつのまにか敵の方が多くなってた。」

トキは後悔しているだろうか?自分の歩んだ道のりを。湯豆腐を見つめるトキの眼差しはどこか力強かった。自分に為せなかった何かを託すように。見送るように。

「お前が望もうが望むまいが、それでもお前は選ばれた。選ばれたんだよ…!選ばれた者にはその責任があるんだ。今、全空の行末を背負ってるのは…お前なんじゃないか?」

「!!」

その時、上階で騒音が発生した。
何事かと思った湯豆腐だが即座に状況を理解した。
「助けに来たぜ!」
「音也さん!」

キャスパリーグくんが密かに音也ライドウォッチを音也へと返していたのだった。ライダーの力を取り戻した音也が駆け付けてくれた。

咄嗟にトキが居たはずの牢を見る湯豆腐だったがすでにその姿はなかった。
今は立ち止まっている場合ではない。
「…ありがとうございます。」
湯豆腐は静かに呟くと決意を新たに唯豆腐のもとへと向かうのだった。




その頃、地上には異変が訪れていた。
地下から現れた巨大な機械、ダイマジーンによって上空に形成されたワームホール

それらは全てクォーツァーの所業だった。
道行く通行人が不思議に空を見上げている。


「始めろ。」
唯豆腐の合図に合わせて突如ワームホールから強力なエネルギーが発生し始めた。

一瞬にして地上は地獄と化した。

人間が上空のワームホールへと吸い込まれていくその様は、にわかには信じ難い異常な光景であった。

同刻、地下から脱出してきた湯豆腐と音也は目の前の光景に唖然とした。

「おい…これは…まさか…!」

「"グラブルに関わった全ての人間"を消滅させるつもりなのか!?」

現在グラブルをプレイしている人間、過去にグラブルをプレイした人間、さらにたった今グラブルをインストールした人間、…挙げ句の果てには全くグラブルに縁がないような人間でも、おそらくは「グラブルの広告が裏表紙に掲載された本」を手にしただけで…上空のワームホールへと吸収されていく。

さらには自律機動型兵器「土抜鼠(マーモット)」が無関係の人間にまで襲いかかっていく。

「ふざけんなよ!」
「こんなことは…やめさせます!」

湯豆腐は唯豆腐の待つ古墳へと急いだ。

「見なよ!人も、建物も!グラブルに関わった物が全て吸収されていく!僕たちの作った"JavaScript"によってさぁ!!」
クォーツァーの1人が楽しそうに告げる。JavaScript…あんな物許されるはずがない。
湯豆腐は怒りに燃える。

「どうしてこんなことをするんだ!」

唯豆腐は至って真剣に答えた。
「お前たちの空って醜くないか?」
「"醜い"…?」
「ああ。バラバラで、凸凹で。まるで石ころだらけで歪な一本の道だ。それを俺らが真っ直ぐに整えてやろうって話。」

「何を…何を言ってるんだよ!?」

「俺たちはずっと空を観察してきた。で、導き出した結論はこうだ。"今の騎空士に価値など無い"。」

「これから変わることだってあるだろ!」

「なら教えてくれないか?他人を貶めることにしか愉しみを見出せない古参ユーザーと、たかがゲームに"意味"を求めようとする新規ユーザー。こいつらのどこに「未来」があるんだよ。」

「それは…!運営のやり方が下手だからユーザーも歪んでいくんじゃないのか!?」

「ほーら、すぐにそれだ!ハッハッハ!二言目には「運営がー」「やり方がー」だもんなぁ?まるでグラブルが全てだと信じてる奴の言い分だな?新コンテンツを寄越せとほざいたかと思えば、次にはめんどくさいと抜かして。キャラ性能に難癖つけるのは得意な癖にそのキャラを無料ガチャキャンペーンで引いたら、途端に他人を煽り始める。気付きのゲームが苦手なようだから教えてやるよ。

──お前ら人間として終わってるんだよ。」

「…もういい。お前たちは…許さない。」

根本的に分かり合えない。
互いにそれを理解した今、ただ決着をつけるのみ。

唯豆腐はやれやれといった表情でため息をついた。
そしてライドウォッチを起動させる。

エ ル ク ラ ン プ 

「変身!」


ライダータイム!

騎空ライダーエルクランプ!


「空に生きた者たちよ、その命、この王に返上しろ!!」


「湯豆腐!!」

そこへキャスパリーグくんが駆け付けた。手には奪還した全てのライドウォッチを持っている。どうやらうまく潜入したようだ。

湯豆腐が全てのライドウォッチを手にした瞬間、それら光と共に新たなひとつのライドウォッチへと姿を変えた。

「変身!」

グ ラ ン ド ユ ド ウ フ

グランドタイム!

グランドユドウフ!

「殺してくれと言っているような姿だな。」

「僕は空を救ってみせる!」

多くの騎空士との出会い、数えきれないほどのあんたんを通じて得たグランドユドウフの力。その力の真髄はボディーに付属している"ヒヒイロカネモニュメント"に触れることで発現する。

"ウサミン"!"寝るである"!"ろんろん"!


名だたるライダーを召喚し、共に戦ってもらうことが可能なのだ。

召喚されたライダー達は次々に土抜鼠を倒していく。
…だが、圧倒的な敵の量に次第にユドウフとキャスパリーグくんは追い込まれていく。

"ON"!"ロレンス"!"藤原肇"!

ユドウフはいよいよエルクランプとの戦いに突入する。

「ガイジカリバー!」
エルクランプの言葉に合わせてキクウドライバーから剣が顕現する。

"加藤鷹"!"藍染惣右介"!

ユドウフも剣と刀の名手を呼び出して対抗する。
だが…

エルクランプは難なく攻撃を受け止めると、ライダー達を流れるように次々と切り崩していく。

「なんで…!?騎空ライダーの力が通じない!?」
明らかに騎空ライダー達の能力が発揮されていないのだ。先ほどまでマーモットを相手取っていた時とはまるで戦闘力が違う。

「"騎空士"自体に意味がないからな!さらばだ、ユドウフ!!」

フィニッシュタイム!

エルクランプタイムブレーク!

エルクランプは赤い光を纏った回し蹴りで周囲の騎空ライダーを一掃する。
そのまま高く飛び上がると手にした剣を勢いよくユドウフへ突き出した。

「うわああああああああああああ!!!」
グランドユドウフの力を持ってしても全く歯が立たない力に、ユドウフは敗れた。

変身解除したユドウフの側でナベルとトレッギブを相手にしているキャスパリーグくんの姿があった。
だがここまで連続して戦いを乗り越えてきた彼にもはや余力はなく、あえなく変身解除へと追い込まれてしまった…


「…ここまでか……。」


力尽き気絶した湯豆腐。
その体はJavaScriptへと吸い込まれていく……

だが完全にJavaScriptの入り口へと到達する直前。

謎の黄金の扉が湯豆腐の体を包み込んでいた。








◆「生まれながらの王」◆
────ここは…


僕は…負けたのか…。
負けて…JavaScriptに吸収された…?
いや…だったらなんで意識があるんだ…?


湯豆腐が目覚めると、そこには何もない空間が広がっていた。



走馬灯のように、ある景色が映し出されていく。





幼い子供が、両親と共に笑いながら遊んでいる。



あれは…


僕…?



「ゆうちゃんは大きくなったら何になりたいの?」
母親が微笑みながら問いかけた。







「僕ね、大きくなったら"王様"になりたいんだ!それでね、困ってる人を助けてあげるんだ!」


そうだ…


「きっとなれるよ。」
父親が優しく頭を撫でる。


ずっと忘れていた…




その景色が風のように消えていく。




「思い出したか。若き日の私よ。」

そこには先ほどの景色を作り出していた人物が立っていた。
…オーマユドウフ。50年後の未来で最低最悪の魔王と称される僕自身。
だけど今ならわかるんだ。
あんたは僕で…本当は…


「お前は"生まれながらの王"などではない。だが、王になりたいと望んだのは他の誰でもない、お前自身の望みだ。
お前は何のために王になりたかったのだ?自分が特別な存在だと確かめるためか?それとも、他人を力で支配するためか?若き日の、私よ…」




意識が現代へと戻っていくのを感じる。



「違う!!」
湯豆腐は叫ぶ。

「騎空士も、それ以外の人達も関係ない!!」

「僕が王になりたいと思ったのは…!!」

全ての答えを。



「もっと世界を良くするためだッッ!!!!」


その答えに応じるかのように、眩い光と共に湯豆腐の手にライドウォッチが生み出された。






◆観測者の見る世界◆
昔話をしよう。舞台は未来だが。

ある時、空の管理者によってグラブルが、いや世界そのものが危機に陥ったことがあった。
その際ユドウフはオーマユドウフとして覚醒。たった1人で戦いに勝利した。
だが、彼の活躍は空の管理者によって歪められ、彼こそがあの災いを引き起こした張本人であると伝えられた。
生き残った者たちは結束してオーマユドウフに反抗。50年もの間戦い続けた。
彼こそが本当は世界を救った最高最善の王であるとは誰も知らないままに。

私にはクォーツァーとして活動する中である任務が与えられた。
オーマユドウフ、彼に仕えるフリをして情報を集めるというものだ。
私は指示通りにオーマユドウフに接触し任務を全うしていた。
そんなある日のことだ。

「ぷらりよ、世界は変えられると思うか?」

突然オーマユドウフが問いかけてきた。

「いいえ、それは不可能かと。」
「なぜ、そう思う?」
「そういう風にできているから、でしょうか。」
「フフフ、お前らしい答えだな。」

空が好きだった。
誰かと手を取り合えるから。
協力は美しいことだと思った。

けれど、次第に人はそれを忘れていった。
それでは満たされなくなってしまった。
協力は争いへ、協調は反発へ、尊重は軽蔑へ。

大好きだった空が、どんどん嫌いになっていった。
以前何をどんな風に楽しんでいたのかなんてもう思い出せない。

変えられるのなら、どんなに良いか。

「この世界が変わるとしたら、それは貴方が消滅した時でしょう。」
「お前はそれを望むか?」
「その時は銅像でも造らねばなりませんね。世に貴方の偉大さを広めねば。」
「フハハハハハ!それも、考えておくか。」
「その時は私が盛大に祝ってさしあげましょう。」







──現代、戦いの決着を観測すべく私は彼らを見ていた。湯豆腐は戦いに敗れ、JavaScriptへと吸収されていく。これで空は生まれ変わる。以前のように。

…本当にそうだろうか?
私が真に望むことは…


「変身!!」

なぜ?湯豆腐は力尽きたのではなかったのか?いや、あのライドウォッチは…


オ ー マ ユ ド ウ フ

キングタイム!

騎空ライダーユドウフオーマ!



ユドウフの変身と共にその背後に巨大な銅像が発生した。

オーマユドウフの銅像が。


こんな偽りの家臣の言葉を…

貴方は「家臣」の言葉として受け止めた…

「全て…分かっていたのですね…。」

オーマユドウフは自分の力をライドウォッチに託して継承させたのだ。かつての自分自身へと。最低最悪の未来を消滅させるために。世界を変えるために。

私の、本当の望みは…




◆エンドオブジョーカー◆


「祝え!!大魔王の力を受け継ぎ、全ての時代をしろしめす最終王者!!その名も騎空ライダーユドウフ・オーマフォームの誕生である!!!!」

「ぷらりさん…!」

「"好きなようにやれ"、君はそう言った。ならば私も好きなようにやらせてもらおう!!」

私は手にした逢魔降臨暦のページを破り捨てる。

この本自体が騎空士の歴史を縛りつける楔でもある。

「ぷらり…クォーツァーの誇りを忘れたか!!」
「誇り?馬鹿を言わないでもらおう!自分たちのいいように解釈を押しつけて…枠にはめ込むような歪んだ歴史なら私は必要ないッ!!」

「キャスパリーグくん。どうやら私と君は"似た者同士"らしい。」
「だからそう言っただろう。」

その時、1人の幼女に土抜鼠の刃が迫っていた。

「きゃっ…」


「やれやれ、弟子や空だけじゃなく世界そのもののピンチってことか。(ニチャア…)」

"ファイナルアタックライド オワオワオワリ!"

上空からの一撃が土抜鼠を破壊した。

「藤原…肇!?」
「おー湯豆腐、元気ー?」

騎空士の歴史を縛り付けていた楔が解き放たれたことにより、騎空ライダー達を縛り付けていた力が失われた。
ここから私達の反撃が始まる。

グラブルが出来なくなっちゃうのは困るよねー。」
「とっとと終わればいいとかいつも言ってないっけ?」


「あれは…りざれくしょん!内の堕天司たちを中心に結成されたDiscordグループ、"大乱交陰湿ゲイブラザーズ"!?」


「行きな!パルテノスッ!!」
「ワンワンワンッ!!」
「それがお前の"仲良しさん"か。カスだなぁ。」

「誰も覚えていないとしたって…為すべきことをするだけだ!」

土煙を上げて何かがこちらへ爆走してくる。
「星晶獣まで呼び出したのか!?」

それは…


「乙じゃーん^^」
「ガアアアアアアア!!!」
猛烈な勢いのままにトレッギブへと突撃し粉砕した。

「なんだあの騎空ライダーは!?」
ナベルが驚きの声を上げる。

「祝え!こんな一冊の本には収まりきらないほどに、騎空士の歴史は豊潤だ!」

ユドウフは迫りくる土抜鼠たちに手をかざし念動力を放ちながら進む。

ベキッ!と音を立てて吹き飛ばされた土抜鼠が壁にめり込む。

「ハアアアアアーーー!!」
ユドウフは背中のユニットを高速回転させて上空へと飛び立つ。
「フン…!!」
そしてダイマジーンへと手をかざす。
たちまちダイマジーンは塵になって消えていく。時間操作の極地…"対象が劣化して消滅する瞬間"まで一瞬にして時を飛ばしたのだ。
次々にダイマジーンを倒していくユドウフ。

一瞬。

一瞬の隙を突かれた。



背後からエルクランプのガイジカリバーが私の腹部を貫いた。
「ゴボッ…!」
「ぷらり、哀れなやつだ…」
鮮血が地を染めていく。


キャスパリーグくんが駆けつけてくる。
「おい!しっかりしろ!」

その声も遠のいて聞こえなくなっていく…



私に相応しい末路だ。
結局、誰かを利用して利用されて…そんな風にしか生きられなかった。

我が魔王、君に惹かれる理由がなんとなく分かってきたんだ。
未来を知るクォーツァーである私が、次に何が実装されるのか知っていてもどうして満たされないのか。

君たちは他ならない、今この瞬間を生きているから…だから眩しく見えるんだ…

君と出会ってから色を失っていた私の空が明るく照らし出されて見えた。

君から返しきれないモノを貰った。

"命"を与えられていたんだ……
ありがとう……


そうか…

自分以外の、たった1人の行く末を見守りたいと願うこの気持ちは…




私はなれたのかな?

"優しい騎空士"に─────






◆「俺たちの王」◆
「フン、馬鹿なやつだ。偽りの王などに従うからこうなる。」
エルクランプが嘲り笑い言い放つ。

「……違う。偽りの王なんかじゃない。あいつは…湯豆腐は俺たちの王だ!!みんな行けーーーー!!俺たちの王に続くんだ!!」
キャスパリーグは騎空ライダーを鼓舞する。
騎空ライダー達は失った仲間の気持ちに応えるように全力で戦う。

ユドウフはナベルと対峙していた。
ナベルは膝蹴りを繰り出しユドウフの首を狙う。

「ハァーーッ!!」
だがユドウフは念動力で難なく弾くとすかさず手にした時冠王剣「サイキョージカンギレード」で渾身の斬撃を浴びせた。

「バカな……!俺は…全てを手に入れるんだァァァァァァアアア!!」
悲痛な叫びを上げながらナベルが爆散する。

──ついに残す敵はエルクランプのみとなった。


「諦めろ!!」
「それで勝ったつもりか!?来い!ユドウフ!」

2人の王は激しくぶつかり合う。

「まるでツーラーのような力だなぁ!」
「黙れッ!!」
「ツーラーに憧れないユーザーなんかいないもんなァ!?」
「そんなわけないだろ!」
「別垢を同時に操作して召喚石を投げさせて、ゲーミングマウスにお気に入りURLへのショートカット登録をして高速周回して…楽しいよな?」
規約違反はしていないッ!!」
「ハハハッ!いつから規約違反ギリギリを狙うチキンレースファンタジーになっちまったんだろうなぁ!?」

怒涛の剣撃の応酬が生み出される。

「いっそ古戦場を完全なソロコンテンツにしちまうか!アハハハ!お前ら好きだもんな、ほらなんだっけ、「個人ランキングなんだからちゃんと自分1人だけの力で戦え」だっけ?ハッハッハッハ!!」
「お前!!他人の協力を何だと思って!!」
「知らねェよォ!他人…他人…!馬鹿みてぇによォ!!!」
エルクランプがさらに力を入れて剣を振る。

「可哀想なやつだ。」
ユドウフは至って冷静に剣を受け止める。
「他人なんて結局利用するためだけに存在してる!!みんな黙って……"僕"に…俺に従ってればいいんだァァァ!!」

「お前には一生分からないんだろうな。」
ユドウフは巧みな剣捌きでエルクランプのガイジカリバーを弾き飛ばした。
「クッ…!」
そのまま蹴りを腹部へと叩き込む。
「ガハッ!」

ついにエルクランプが膝をついた。

「…やむを得ん…!!」
エルクランプはキクウドライバーに装着されている自身のライドウォッチを外すと、かわりに腕に付属しているライドウォッチを起動した。

MG2!桜小路ルナ!

エルクランプの体が巨大な龍へと姿を変えた。

「おいおい、ツーラー擁護運営がよ。」
「ん…?肇さんどうしたんですか急に静かになって?」
「いやぁー、敵強そうだなぁ〜って。」
「お前ほんと喋るたびにニチャニチャ音鳴るな。粘着を司る天司ニチャエルか?」
「ニチャエルって何!?」
「他の天司に謝れよ。」
「俺の扱い何?」
「馬鹿言ってないで構えろ!来るぞ!」

「オオオオオオ!!お前たちのせいでグラブルはめちゃくちゃだアアアア!!」
エルクランプが巨体から想像もつかない速さで攻撃を繰り出す。
強烈な力で騎空ライダー達をまとめて襲う。

「チッ…!」
騎空ライダー達はファランクスでダメージを軽減する。
「オイファラ被せんなアホ!」
「きったねぇ石投げやがってよぉ!」
「デバフ入れろ役目でしょ」
「意味わかんない飛ばし方すんなよ」
その戦いぶりにはまるでまとまりがない。
ユドウフは思わず笑いをこぼした。

「これでいいんだ。確かに僕たち騎空士はみんなバラバラだ。得意な属性も、個性も。だけど…僕も、他の騎空士も、その瞬間瞬間を必死で駆け抜けて来た!!そうして出来上がった道は凸凹で当たり前だ!!バラバラで何が悪いッ!!」

ユドウフは騎空ライダー達を見渡す。
騎空ライダー達が頷く。

フィニッシュタイム!!

キングタイムブレーク!!

全員が一斉に飛び上がる。

「うおおおおおおおおおおおおおお!!グラブル最高キーーーーック!!!!」

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

文字に象られた一撃がエルクランプの巨体を貫いた。
ついに最低最悪の魔王は葬られた。



「!!」

だが、まだ終わりではなかった。
ユドウフは消滅したはずのエルクランプの足元だった場所に倒れている少年の姿をしっかりと捉えていた。







◆海の向こうの追憶◆



居場所が無かった。



「クエルはほんときめーなぁ!ずっとゲームばっかして!」

別に珍しい話じゃあない。
中国はオンラインゲームが発達しているからといって、それが誰にでも受け入れられるわけじゃない。
「気持ち悪い」「オタク」罵倒されるのは、何も珍しくなんかない。

だから僕にとって友達はネットの中にしかいなかった。

グラブルというゲームを知った。
日本で作られたゲームで、人気上昇中のゲームのようだ。

いい機会だと思った。
一度、違う国を見てみたいと思っていたからだ。
…この場所から逃げ出したい、そんな気持ちもあった。
少なくとも日本に行けば、今と何かが変わる。


そう信じていた。






「チャイニーズはグラブルやんなよw」



ああ、結局


世界は変わらないんだな。


憎い。僕を受け入れない世界が。


「君も空に傷付けられた人間だね。」

ぷらりと名乗ったその男は僕にある人物を紹介した。

木村唯豆腐。
なんでも、この時代の人間ではない唯豆腐は僕の体を"依代"としてこの時代に君臨する魔王となるらしい。

どうだっていいさ。

空を変えられるのなら。

何だってしてやる。全てを利用して。








◆救い◆
少年はゆっくりと起き上がる。
眼前に映るユドウフの姿。
唯豆腐は失敗した…すぐに察する。

「君は…」
ユドウフが尋ねる。

こいつを

消せばいいんだな

「変身。」

「…!奴らの力を吸収したのか!?」

JavaScriptの応用だ。」
クエルプランとなった彼は騎空ライダー達へ手をかざした。謎の思念波が放たれる。

「連戦とか聞いてないんだが?」
「ルーム名ちゃんと記載しとけよ。」
「部屋主蹴る機能欲しくない?」
「草」

様子がおかしい。騎空ライダー達は背を向けて退散していく。

「何をした!?」
「不和をもたらす力。それが僕の能力だ。」

クエルプランの能力によって騎空ライダー達の協力を失ったユドウフ。
それでも戦うしかない。

ユドウフはクエルプランに殴りかかる。
「無駄だ。」
クエルプランは一切動かずに攻撃を受けた。
「何!?」

ユドウフの攻撃は確かに命中したはずだった。
しかし、クエルプランには全く通じていない。

「攻撃を吸収したのか…!」
「その通り。お返し、"マスタースパーク"」
「うわああああああああ!!」
クエルプランは掌から電撃を放った。
凄まじい痛みがユドウフの全身に走った。

「どうすれば…」
為す術はないのか?諦めかけたユドウフの頭に聞き慣れた声が響いた。

「家臣の力が必要みたいだね。我が魔王。」

消滅したはずの家臣の祈りが、光となってユドウフの手に届いた。

「これは…」

「闇雲に相手を傷付けるだけが戦いじゃない。これは戦いを終わらせるために必要な力だ。」
声が遠く離れていく。希望を託して。

「ありがとうございます、ぷらりさん。」

アーマータイム!

ぷらり!

「この力は…僕の最高最善の家臣が託してくれた!誰よりも優しかった騎空士の力だ!!」

「優しさ…?そんなもので世界を変えられるとでも思っているのか!!」
クエルプランがナベルのような身のこなしで素早く襲いかかってくる。

「僕はそう信じるッ!」
ユドウフはサイキョージカンギレードで攻撃を受け止める。
そのまま目一杯力を込めてクエルプランを押し返す。

「(さっきより力が上がっているだと?)」

素早く連続で斬りつけるユドウフ、クエルプランはやはり攻撃をかわさずに受け止める…が、

「何ッ!?」
今度は確実にダメージを受けていた。

「どういうことだ!僕の吸収を!?」
「憎しみだけで相手を傷付けるんじゃない。優しさを持って相手を制するんだ!」

ユドウフは念動力でクエルプランを拘束し、キクウドライバーを回転させる。

キングフィニッシュタイム!

ぷらりキングタイムブレーク!!

ユドウフの必殺技がクエルプランに直撃した。
クエルプランの変身が解かれる。

「どうして…」
クエルプランは仰向けに地面に倒れ、空を見上げる。

己の過ちと罪を悔やむかのように涙が溢れ出す。

「クエルさんは確かに間違ってしまいました。だけど…」

今のユドウフには分かる。

彼が、本当に欲しかったもの。
一番言って欲しかった言葉が。



「また一緒にグラブルしましょうよ。」



彼の戦いは終わった。
笑顔と共に──────。






◆未来へ◆
「終わったんだな。」
クエルプランの力が解かれ、正気を取り戻し帰ってきたキャスパリーグが告げる。

「うん。」

そして…

キャスパリーグの体が光の粒子となって消滅していく…

「そんな…!なんで!?」

「未来が変わったってことだ。感謝しているぞ、湯豆腐…」

元々、オーマユドウフが支配する世界線から来たキャスパリーグ
今、ユドウフがオーマフォームとなりオーマユドウフの歴史を継承したことによってその世界線は"無かった"ことになった。
その時代に生きていた者たちも、当然…


1人で帰路に着く湯豆腐。
その前にクォーツァーの残党が立ちはだかる。

「お前、本当にこれからグラブルが良くなっていくと思ってんのか!?」
「賭けてもいいぜ!絶対良くならねーよ。」
やはり彼らはまだ計画を諦められないようだ。

湯豆腐は優しく笑い、答えた。

「ぷらりさんや、キャスパリーグや、みんなが居たから今があって、未来へ続いていくんだ。その未来を…僕は生きたい。」

「…まっ、その未来も見てみたいかもな。」
「頑張れよ。」
クォーツァー達は訳有りげに顔を見合わせると消えていった。





「ただいま…。」
一人残された湯豆腐が誰もいない家へと帰宅する。




「やぁ、我が魔王。」


私は一番に出迎える。

「え?」


「ただいま…。」
キャスパリーグ君が気まずそうに言う。

「おかえり…って、逆でしょ。」

「というかどうなってる!?ぷらり説明しろ!お前死んだんじゃなかったのか!?」
「やだなぁキャスパリーグくん、そんなことは"どの本にも書かれていない"んだよ。」


どうやら彼らが少々協力してくれたようだね。
彼らまで味方につけるとは…さすがは我が魔王。
私の方は…この時代に書いていたブログが功を奏したかな。
この時代に生きていた事の証明に違いないからね。誰かが覚えていてくれる限り、存在は消えない。

「少し出かけてくるよ。」
私は言い残して出て行く。



◆世界は変えられる◆



場末の喫茶店
待ち合わせよりも少し早く着いたのに彼はしっかりと席についていた。
相変わらず律儀というか、堅いというか…


「久しぶり。」

「悪いね、急に呼んで。」
「んー、まぁ暇だから。」

「どうしたん?」
「単刀直入に言うとグラブルを辞めることにした。」
「んーーまぁ今のグラブルの感じだと仕方ないって感じはするなぁ。」
「それもあるけど、やりたいことが出来たからね。」
「ぷらりが?珍しいな。」
「物語を書いてみたくなった。」
「小説?まぁブログやってた感じ文章力だけはあるみたいだったしなw」
「だけとは、失礼な…」

私は運ばれてきた珈琲を口にする。
彼も続いた。
「んー、美味しい。」
「今更だけど珈琲が好きだからその名前にしたっていうのはどうかと思うね。」
「うるせぇw夕飯のメニューを採用するよりはマシだろ。」
「それは…ある。」

くだらない話で笑い合う。

「あの子は…どうだった?」
「素晴らしい物語を見せてくれたよ。本当に。」
「そっか。なんか懐かしいな。」
「本当に。結局、何がどうなるかなんて
誰にも分からないらしい。」

昔話に花が咲き、いつの間にか随分と時間が経っていた。
「もう行くよ。」
「そっか。元気でな。」

私は別れを告げて歩き出す。

来るときは雨だったが、どうやら止んだらしい。

ふいに近くの木の枝に鳥が止まった。
重みで葉が揺れ水滴が溢れて私の顔に落ちた。
思わず見上げると空には虹が架かっていた。

まったく、なかなか粋な旅立ちじゃあないか。

いつか、「世界は変わらない」と嘆いたことがある。
今は違う。



「誰かと関わる限り、世界は変わり続ける」

これが私の答えだ。


見たいものを、見たいように、見続ける。
それが、「生きる」ということだから。



この手にもう本はない。

己の運命を受け入れ、諦めるだけの刑死者は世界を見たいと旅立つ愚者に成った。






行こう。次の物語を探して…





私がご案内出来るのはここまでです。
ご清聴、誠にありがとうございました!

ライザのアトリエ トロコンした感想

今回は話題のPS4ソフト ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜をトロフィーコンプするまで遊んだ感想を書いていきます。


🎮ゲーム内容🎮
いわゆるRPGで、シナリオに沿って物語を進める中で、このゲームにおける一番メインの要素「錬金術」を用いて様々なアイテムを作り、そのアイテムを用いて謎解きや問題解決の方法を探したりします。

ストーリーに関してはなんてことない離島の村クーケン島に暮らすライザたちが、まだ見ぬ景色や外界への憧れから島の外に踏み出し、そこで錬金術との出会いを経て成長していく、そんな青春ジュブナイル風な物語でした。
最初はかなり胸糞が悪い展開が多いです。閉塞した村社会ならではのくだらない風潮が容赦なくプレイヤーの心を押さえ付けてきます。けれどそれを乗り越えて成長していくライザ達の様子はとても力強く、感動的です。

錬金術」に関してはフィールドに存在する様々な素材を集め、それらを材料に新たなアイテムを作り上げていきます。
最初はシステムがやや難しく、慣れていくまでやや時間がかかりました。


調合の画面。FF Xのスフィア盤って言ったら分かりますかね?要求素材が決まっていて、投入する素材の品質・属性・特性によって出来上がるアイテムの質が決まる感じ。序盤は入手出来る素材の質が悪いので、ショップで購入出来る素材の方がいい物を作るのに役立ちます。

一応、小ネタとして特定のアイテムを制作→そのアイテムを素材にまた制作→ループ…といったやり方で品質を無限に向上させる方法があります。基本的に品質が一番大事なステータスなので、それを上げられるのはとても重要です。
中盤ぐらいでその素材が揃うので、それ以降は品質999のアイテムをどんどん作れたりします。ゲームバランスとかを気にする方は気を付けてください。やる場合は自己責任で。

ただ、その方法でもなかなか品質999のアイテムを増やすのに時間がかかる。作成数が3のアイテムを2つ使ってまた3つ作成、の手順なので1つずつしか増えない、これは手間だなぁ…と思った矢先、

「複製釜」なる施設が解禁。一度作ったアイテムを文字通り複製出来るという非常に便利な機能。

さらに、作ったアイテムにさらにアイテムを追加してより理想のアイテムに近付けることが出来る「アイテムリビルド」という機能もあります。

採取に関しては「トラベルボトル」という施設があり、そのボトルに素材を入れる、もしくはパスワードを入力することで特定の素材だけが採取できる「採取地調合」というシステムがあります。
これを使えば狙った素材のみを厳選することが可能。

「リビルド」「複製」「ボトル復元」にはいずれも「ジェム」という素材が必要になります。このジェムも無限に取得する手段があるので苦労はしないです。

といった感じで、錬金関連に関してはすごく親切にやり易くしてある印象を受けました。「遊びやすいアトリエ」をテーマにしているだけあって、従来のアトリエシリーズよりも取り掛かりやすいように作られているようです。
私はアトリエシリーズを遊んだのはこれが初めてでしたので、ここから従来のアトリエシリーズを遊んだらおそらくやりにくくて驚くのでしょうね…



👍良かった点👍
上記のように錬金関連については理解が深まるとなかなか楽しめました。理想のアイテムを作るための素材集め、最強装備による異世界チート錬金術師プレイ。
ストーリーはもちろんなんですが、フィールドや戦闘でのBGMが本当に良かった。特に、これはライザやったプレイヤーの全員がこれ!って言うんじゃないかってぐらい素晴らしいBGMがありまして、

こちら「穀雨、麦の風」という曲。

ストーリー上ライザ達がそれぞれの決意を固め、なんとなくで始めた旅に意味が生まれ始めた場面、そこにきていよいよ流れるシナリオ後半用の通常戦闘BGM。荘厳なバグパイプの音色、軽快ながらどこか切ないアコースティックギター、そしてそこに加わるフルートの繊細な旋律とメロディアスなピアノ…あまりにエモすぎる。間違いなく本作のNo.1BGMでしょう。


😵微妙な点😵
おそらく最初に多くのプレイヤーがつまづくポイントであろう「戦闘」に関して。これがなかなか人によって賛否が分かれそうな部分だったなぁと。
通常攻撃で「AP」を貯める、APを一定数消費して「タクティクスレベル」を上昇させる、アイテムは「CC」というポイントを消費して使用、「CC」はアイテムを「コンバート」(その探索中使用不可に)して回復可能、敵の強力な技の発動準備には「クイックアクション」(AP10+スキルの消費AP)を発動して妨害……こうずらりと書き連ねるだけでもなかなか複雑なシステムだというのは分かります。しかも実際にはリアルタイムで味方の操作を余儀なくされるので、最初は特に慌てると思います。

もちろん慣れてくれば一連の動作をスムーズにこなせるようになりなかなか爽快なバトルを楽しめるようになりますが。
忙しいな、というのは否めないです。

あとキャラのCGのクオリティなんですが、ライザの揺れとか雨の時の濡れ具合
は良いんですけど、キャラの表情がとにかく硬いです。ちょっと気になる人はいるかもしれない。


そしてストーリークリア後について。
クリア後に追加される隠し要素としては「大精霊」という各地に配置される固定シンボルのボス、だけ。しかもこれが大して強くない上に全部色違いなだけの使い回しという…。

「セーゼーワレヲタノシマセテミヨ‼︎」

しかも、そいつらからの固有ドロップである各属性のエレメントコアというアイテム、なんと畑で獲れます!()
畑に種を植えてしばらく待つと植えた種に応じてアイテムが獲得できる施設があるんですが、品質999の種を使うと得られるアイテムの品質も500〜999になります。一方、大精霊からドロップするエレメントコアの品質は200程度。つまり戦うだけ無駄…。一応、隠しボスの出現条件は全ての大精霊の討伐なので、それぞれ1回ずつは倒す必要ありますが。

というか現状では隠しボスを倒したらあとは、畑に種を植える→寝て時間経過させるの繰り返しで素材を集めるしかやることがないです。しかもそうして最高レベルのアイテムを作っても使う相手はいないという…。
一応今後のアプデで高難易度の追加マップが来るそうです。それまでは特に…。



☺️まとめ☺️
とはいえ、自分はシナリオクリアまでに40時間+クリア後からトロコンまでに20時間程度は遊べました。従来のアトリエシリーズよりはボリュームダウンしているらしいですが、自分は十分楽しめたと思います。
まぁソフト価格9000円、ソシャゲのガチャ30連よりは間違いなく価値がありましたね。
気になった方はぜひ遊んでみてはいかがでしょうか?

ぷらりを愛してくれた全ての方々へ

2018年9月11日。
グラブルに関するブログをやりたいと思い立って何気なく始めたこのブログも、いつのまにか設立から1年が経過していました。

「飾らず、自分の言葉で、慄くことなく、ただがむしゃらに文字を綴りたい。」
そんな気持ちから「ツープラトン」と名付けました。
その名に恥じない内容の記事が書けていたのかは私には分かりません。


ブログに関して今まで様々な方々から感想を頂いてきました。
「ぷらツー面白いですよ」「ぷらツーの人ですよね?」「これはちょっと言い過ぎなんじゃない?」
フォロワーも沢山増えました。ブロックも130人からされています。
それだけ、良くも悪くもこのブログを、私を見てくれた人達が居ることに、ただ純粋に感謝しています。

何も持たない自分が、何でもいいからこの世に存在した証を残したい。
そんな動機は十分に達成されたのではないかと思います。



そんな中、最近私の中でひとつの悩みがありました。


グラブルがつまらない」


誰にでもいつかはそう思う時が来ます。
私は今でした。
具体的に何がつまらないとか、ゲームの批判とかを🐉レインボーフォントドラゴン🐉で長々と書き連ねるのは見苦しいので絶対にやらないと兼ねてから決めておりましたので、私はすんなりと。

グラブル辞めます。

それで私が何か変わるとかではないので。
空いた時間は最近ハマってる筋トレ、アニメ鑑賞、本や漫画を読む、据え置き機のゲームをする、小説家になろうにオリジナル小説を連載していずれは書籍化を目指す、グラブルに夢中になるあまり疎遠になってしまった友人達ともう一度関係をやり直す、生き別れの家族を探す等に費やしたいと考えています。

ブログに関しては続けようと思います。
現在製作中の劇場版騎空ライダーユドウフは今までの全てを注ぎ込んだ集大成にしてみせますのでご期待いただければ幸いです。
それ以降はグラブルに関しては書きません。まぁなんか気ままに書くと思います。なろう小説は色々設定とか練ってから書きます。

そんなわけで、今後ともよろしくお願いします。
私にグラブルを求めていた方は残念ながらそういう訳ですのでご了承ください。


では、また。

令和元年グラブル心中

いやぁ〜どうもどうも。ありがとうございます。

えー、大変大勢のお運びでございます。ありがとうございます。
最近は随分と寒くなりましたから、今日はここで暖を取っていただければ幸いです。まぁもしかしたら…その逆、なんてことにもなりかねませんが…。
万一、そんなことになった時分にはその辺の祭りでも行って、一杯やり直してもらうことにしてもらって。


祭りもそうですが、世の中様々な行事ってのがあるもんで。
「古戦場」というものがございます。
どういったものかと申しますと、「騎空団」という団体に所属しまして、30人1団の振り分けで行うイベントですわな。
団同士で競い合い1日により多くの貢献度を稼いだ方が勝ち、という至極分かりやすい催しでございまして。


あるところに「ぷらり」という者がおりました。これがまたなかなかの曲者!

「俺は団に何も期待しない。その代わり、団も俺に何も期待するな。」

こんなことを言ってる。
困ったもんです。勝ち負けって明確な目標がある以上、当然勝ちに行くのが人間の性ってもンですから、こういった手合いはいっちばん厄介なんです。

ただ困ったことにこの男、とびっきり弱いというわけでもなく、

かといってずば抜けてやる気があるわけでもない!ホント困ったもんだ!

そんな男ですから、当然引き入れようなんて考える団はまるでない。そりゃあそうです、団長からしてみれば本当に信頼できる人間しか誘いたくないですから。


そんな中、ひとつだけ物好きな団がございました。
これが「おっとせい保護団体」ってぇこれまた奇妙な名前の団でして、なんとぷらりを迎え入れるなんて言う!
どういうわけかと思いましたら、この団もどうやら団員集めに苦労してる、おまけに前回はそこいらの木偶の坊を捕まえたらなんと団で設けたノルマを満たさなかったそうでして。
ぷらりなら、まぁやるべきことはやってくれるだろうとそんな風に考えたわけですな。

ぷらりは行く宛がない、おっとせい保護団体は人脈がない。こうして両者の利害が曲がりなりにも一応一致したと。


さて、こうして奇妙な縁で繋がった彼らもいよいよ古戦場本番を迎えます。
前半は肉集め。本戦の支度でございます。
「おう、ぷらり。お前さんぐらいの装備ならもちろん2ポチでいけんだろう?いいよなぁ、楽で。」
団員が尋ねた。

するとぷらり、口をぽかーんと開けてこう返した。

「へ?俺ぁ3ポチだよ。」

団員は驚く、そりゃあそうですこれだけ装備があれば絶対いけるはずなんですから。

「おめぇなんか間違えてんじゃねぇのか?」

そうして団員が原因を探ってみたら…なんとぷらりが兼重を持ってない!!団員は慌ててどういうことだと問い詰める。

「いやぁ、当日になってから作ればいいと思ってレプリカだけ取っておいたと思ったらね?」
そう言って刀を取り出した。




結局肉集めはずっとツバサの2アビで奥義ゲージを賄い続けた。

気を取り直して本戦2日目。
初日は楽勝。相手が格下でしたから。2日目にはみんな大体95の動きが固まってましたから、どんどん速くなって参ります。

2日目の相手ってのが強敵で、ほとんど互角。まるで差が開かない。
ぷらりもやる気がないなんて言っててもこうして接戦となれば走らざるを得ませんから、一応走ります。

ところが走れど走れどまるで他の団員と差が縮まってない。
貢献度が増え続けてるところを見るに、走ってはいるようです。

結局その日はお互い100億を超える激戦でしたから、団員もぷらりに構ってはおられず、翌朝奇跡的に格下とマッチングして余裕が生まれた団員がこう尋ねた。

「ぷらり、おめぇさん昨日は随分とゆっくり走ってたみたいだけども、何か用事でもあったのかい?」

するとぷらり、

「馬鹿を言うもんじゃねーよ!昨日はさすがに俺だって必死に走ってたろ!?」
少しムッとして言い返す。

「じゃあどうやって95回してたんだい?」

「そりゃあ、魔法戦士に決まってんだろう!?」

「恐怖を入れりゃあ、さっさと11ターンまで行けるんでい!」

「お前ねぇ…」
これには団員も呆れて何も言えない。


「アニラの3アビとマイクパフォーマンスを使えば、すぐにみんな100パー溜まるだろう!」

「あっ…!」

こうしてぷらりは3日目から最適解を知ったわけですな。


最終日。この日の相手は格上です。朝から差は広がり、その差は埋まらず、敗北。何はともあれ本戦はお終いと相成りまして、各々が今回の反省やら気が早くも次回を見据えた準備やらで賑わう中、

この期に及んでようやく、ぷらりは気付いた。
「俺ァ、入る団を間違えたんだなぁ…」と。


適材適所ってのがありまして、こういった個人で適当な具合にやる輩にはある程度やる気のある団は向いてないってもんです。
最低限をなんとなくこなすような団がちょうどいい。

ただ、こんなことならもっと団員と意思疎通を図っておくんだったなぁ、楽なやり方は教わるべきだったなぁと、珍しく反省はしたようでして。

「おっとせい保護団体のみんなには迷惑かけちまったなぁ…責任は取らねぇと。」
そうして団を抜けることにした。


「団長、まぁ…色々とご迷惑をおかけしやした…」

「ほー、おめぇさんにしては珍しく凹んでんのかい?」

「えぇ…。これに懲りて、今後は隠居しようかと。」

「いや、お前は"隠居"じゃなくて"陰キャ"だろ?」



陰キャ」というお話でございました。
────────終────────



























ついに明かされる







湯豆腐の真実。








最も信頼する人物の、裏切り。








立ちはだかる最強の敵。








「生まれながらの王」とは?








劇場版 騎空ライダーユドウフ "Over Quartzer"

鋭意製作中。

【初心者向け】グラブルで炎上しない為の自己防衛方法

ちゃろー。ぷらりです。
最近夢の中でとある知り合いから言われました。


「お前は最初ブログで初心者の為になるような記事を書いていたのに、いつのまにか運営への愚痴やら下らない話ばかりするようになったな。お前は何の為にブログを始めたのだ?読者にチヤホヤされる為か?自分が特別な存在だと信じる為か?────若き日の私よ…。」


違う。


読者も、名声も関係ない。

俺がブロガーになったのは…


もっと空を良くする為だ!!!


🐱俺はもうやめる🐱
グラブルを?違う。知識不足の初心者が訳も分からないままに燃やされて、空から離れていくのを眺めるだけの自分を。
俺に出来ることはこうしてブログに書いて発信することだけ。でもそれで救われる命がひとつでもあるのなら、俺はそれを無意味だとは思わない。

今回はラブライブ!コラボや無料10連を機にグラブルを始めた初心者、並びにあまり空での上手な立ち回りを理解していない素人の方々へ向けた記事を書きます。2年以上グラブルをプレイしてきた自分が、僭越ながらアドバイスできればなと思います。久しぶりに魂を込める。



😾"我知無知"😾
我知無知(がちむち)。
"我知る 己の無知なるを"
中国の賢人たちはこう記した。
「無知識な事は恥ではない。なぜなら「知る」ことの喜びをこれから知ることが出来るのだから。」と。


初心者はまず、知識を得ることから始める。それは自分で調べるだけにとどまらず、他者からの意見を得ること、攻略サイトを閲覧すること、ツイッターでフォロワーに尋ねること等、なんでもいい。

このゲームは分からないことが多い。
同時に「知らなければならない」ことも。
特定のマルチバトルでしてはいけない行動、最初の内は参戦することを推奨されないマルチなどを覚えなくてはならない。

なぜか?残念ながらこのゲームにはいわゆる"晒し"という行為が蔓延っている。
「このマルチにこのジョブで来た」「団内でこんな問題行動を起こした」
理由は大小あれど、少しでも"常識"とされているルールから逸脱すればそれを罪人として晒す者がいる。
空は広いが世間は狭い。噂として広まっていく悪評は、やがて自分自身の行動に支障をきたす足枷となる。となれば、それは是が非でも避けたい。

このゲームの運営は違法なプレイヤーに対してはアカウントを停止させるなどの方法で対処する。だが、プレイヤー同士での間で起きた問題に関しては、残念ながらそうはいかない。
そういった背景から普及したユーザー間での"私刑"とも言える晒し行為から逃れる為に、まず"常識"を知らなければならない。

「ハッ、そんなもん先人たちが勝手に決めたルールだろ?俺には関係ないぜ!」

そう言って突っ込んでいった意気のいいルーキー達は、ことごとく晒され、叩かれ、いつのまにか消えていった。あるいは晒された前科を背負いながらコソコソとアカウントに鍵をかけながらひっそりと生きる羽目になった。

知ることは多いが、幸いにも調べることは出来る。
もしまだ参加したことのないマルチバトルに参戦する際には、事前に攻略サイト・知り合いに尋ねるなどしてあらかじめ必要な情報を覚えた上で参加してほしい。知らなかった、では済まされないようなことも中にはある。

どんな装備を集めればいいのか?どんなキャラでパーティーを組めばいいのか?攻略サイトや信用できる他人に聞いて調べること。そうすれば、知らないが故の過ちは防げる。



ただし、俺に質問をするな。答えるのが面倒だから──。



🦊敵を作るな、仲間を増やせ🦊
敵って何?初心者はそう思うだろう。
残念ながらこのゲームの民度はお世辞にも良好とは言えない。ゲーム内でのコンテンツを遊び倒した上級者たちは、暇を持て余し遂には他ユーザーで遊び始める。

「こいつは"面白い"🤣」とオモチャとしてみなされたが最後、永遠にツイッターアカウントに粘着され止まないリツイート通知…引用リツイートでの口撃…見知らぬ、天井──。お前は死ぬ。

・迂闊に半端な知識でのキャラクター・装備編成を投稿しない
・下らない理由で他ユーザーを晒さない
この辺は割と重要。自分の方が間違っていた場合叩かれるから。

やれ四騎士尊い❤️だの、やれサンダルマジしんどい…だの、そういった類の話だけしている方が安全。
ただし余計な女性アピールはしないこと。男性騎空士は女性騎空士に目が無い。

このように敵は多い。戦うためには味方を増やす必要がある。情報を得るためにツイッターを利用することは有用だが、ツイッターには様々な層の騎空士が居る。相手が本当に信用できる人物であるかどうかの判断は慎重に行おう。



😾強くなれ😾
そうして情報を得ながら様々なマルチをこなし、装備を集め、仲間を増やし…君は強くなれる。グラブルは強くなる過程を楽しむゲームでもある。今まで倒せなかった敵をあっさりと倒せるようになり、マルチバトルでMVPを獲得できるようになっていく。

けれども、間違えてほしくないことがある。

それは弱者を見下すのではなく、弱者の気持ちを思いやれるプレイヤーであってほしいということ。
誰しも最初は弱い。俺も未だにまだまだ弱いなと思うことがたくさんある。

そういった弱者に対して、「あぁこの人はまだ成長の途中に居るんだな」と見守ることができるような、余裕のあるプレイヤーになってほしいと願う。


自分が優れていると勘違いしたが最後、独自の解釈で「この編成が強いです!オススメです!」などと己の承認欲求を満たしたいが為に誤った情報を拡散してしまえば、それこそ上述した晒し上げの対象になりかねない🐱💦💦💦

重ねるが、くれぐれも"勘違い"だけはしないように注意してもらいたい。
いいですねッッ!!



😃楽しみだ😃
長々と書いてきたが、グラブルは本当に奥深く、面白い。だからこそ新規ユーザーには正しい遊び方でいつまでも気長に楽しんでもらいたいと思う。

これからグラブルを始めるユーザー達がどんな選択をするのか、楽しみだ…。

空飛ぶ羽根と引き換えに 繋ぎ合う手を選んだ僕ら
それでも空に魅せられて 夢を重ねるのは罪か


では、空で会おう。

ご報告

平素から私を応援してくださっている皆様へ。

すでに公式ファンクラブ「ハングドマン」の会員の皆様には先んじてお知らせしました通り、

私、ぷらりは







この度




























ゲーム実況プレイを始めました事をお知らせいたします。


アパシー学校であった怖い話1995特別編を実況プレイpart0

ジャンルはホラーノベルゲーム。
この時期にぴったりですね。
学校の怖い話を集めて記事にしようという企画を任された主人公が、集まった個性豊かな語り部たちから怖い話を聞いていく…というゲーム内容です。

かなり長丁場になると思います。
グラブルの合間に何か新しいことをやりたいと思っていて、踏み出した形です。
ゆくゆくは皆さんがグラブルや他のソシャゲの周回作業をやりながらラジオ感覚で流していただけるような、そんなシリーズになったらいいなと願っています。



あと、今日家の玄関までマスコミが押しかけてきて「今話題のハイランダー編成についてのお考えをお聞かせ願いますか?」と。
実家まで来るのはお辞め願います…事務所に事前に取材の依頼を通していただければ、私も協力は致しますので。


つきましてはこの場を借りて、私の意見を述べさせていただきたいと思います。






強ければ何でもよくね!!!????wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww wwwwww



では高級鞄連戦があるのでこの辺で失礼します。
改めまして、今後とも私をよろしくお願いします。